ペプチドとは?肌への効果・相性の良い成分・併用など解説

  • 2024年11月5日
  • 2024年11月7日
  • 美容
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注目成分のペプチドについてどこまでご存知ですか?名前は知っているけど詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか?

このページではペプチドの肌への効果や相性の良い成分、併用する方法など詳しく解説します。

ペプチドとは

ペプチドとは、複数のアミノ酸がペプチド結合によってつながった化合物です。 ペプチドは、ヒトや動物の体、そして植物にも含まれています。 アミノ酸が2個つながったものはジペプチド、3個ならトリペプチド、10個以下ならオリゴペプチド、100個以下ではポリペプチドと呼ばれ、さらに多くのアミノ酸がつながるとタンパク質になります。 つまり、アミノ酸が集まったものがペプチド、ペプチドがさらに集まったものがタンパク質です。

ペプチドは、食品や化粧品、サプリメントなどに広く利用されています。ペプチドの種類によって様々な効果が期待され、健康をサポートする、年齢に負けない見た目へ導くなどのヒトに有益なペプチドは、機能性ペプチドと呼ばれています。

ペプチドとタンパク質・アミノ酸の違い

口から摂取した肉や魚などのタンパク質は、サイズが大きいため、そのままでは吸収されません。 胃液や膵液によってペプチドやアミノ酸に分解された後、吸収されます。 タンパク質の分解と吸収には2~4時間ほどかかりますが、ペプチドやアミノ酸はすでに小さいサイズなので短時間で吸収されます。

ペプチドの種類

ペプチドは、もととなるタンパク質や食品によって働きが異なり、様々な種類があります。食品やサプリメントで摂取することも、化粧品として肌に直接塗布することもできますが、 効果的にペプチドを摂取するには、サプリメントの活用が推奨されています。

  • 魚肉ペプチド: 魚のタンパク質由来。筋肉の修復・増強効果、アルツハイマー予防効果
  • イミダゾールペプチド: 鶏むね肉や赤身の魚に含まれる。疲労改善、老化防止
  • ミルクペプチド: 牛乳由来。血圧改善効果
  • ホエイペプチド: 牛乳由来。筋肉の修復・増強効果、免疫機能強化、アルツハイマー病予防効果、抗インフルエンザ効果、抗ウイルス効果、抗アレルギー効果
  • 大豆ペプチド: 大豆由来。労回復効果、脂肪燃焼効果
  • イワシペプチド: イワシのタンパク質を分解したもの。血圧安定効果
  • コラーゲンペプチド: コラーゲンを小さく分解したもの。美肌効果
  • トリペプチド-1銅: 合成ペプチド。炎症抑制

ペプチドの肌への効果

ここからはペプチドが肌にどのような効果を与えるのか具体的に解説します。

  • ハリやツヤ、弾力のサポート: ペプチドは化粧品に配合すると、肌のハリやツヤ、弾力をサポートする効果が期待できます。 多くのエイジングケア化粧品に配合され注目されています。
  • 保湿: ペプチドの中には、肌の天然保湿因子(NMF)に含まれるアミノ酸から構成されるものがあり、肌に潤いを与え、閉じ込める効果があります。
  • 肌の修復: ペプチドは肌の細胞の再生を促す効果があります。
  • コラーゲン生成の促進: コラーゲンペプチドはコラーゲンの生成を促進する効果があります。 コラーゲンは肌の弾力やハリを保つために重要な成分です。
  • シワやたるみの予防: コラーゲンペプチドの摂取により、肌の水分量が上昇するという報告があり、シワやたるみの予防効果が期待されています。
  • ニキビ跡の改善: トリペプチド-1銅と呼ばれるペプチドは、肌の コラーゲンとエラスチンの生成を促進する働きがあり、ニキビ跡の凸凹を改善する効果が期待されています。

コラーゲンペプチドと肌の構造

ペプチドの中でも、コラーゲンペプチドは肌の構造において重要な役割を果たすと注目されています。そんなコラーゲンペプチドについて詳しく解説します。

  • コラーゲンペプチドはコラーゲンの構成要素
    複数のアミノ酸が結合した物質であるペプチドの一種で、より大きな分子であるコラーゲンを構成する要素です。 コラーゲンは、肌の真皮に存在する主要なタンパク質であり、肌の弾力やハリを維持する役割を担っています。
  • コラーゲンペプチドは体内に吸収されやすい
    コラーゲンよりも分子量が小さいため、体内に吸収されやすいという特徴があります。 そのため、コラーゲンペプチドを摂取することで、体内のコラーゲン量を増やす効果が期待できます。
  • コラーゲンペプチドは線維芽細胞の働きを促進
    コラーゲンペプチドは、肌の奥でコラーゲンを作り出す線維芽細胞に働きかけ、その活動を促進することが明らかになっています。 線維芽細胞が活性化することで、コラーゲン生成が促進され、肌の弾力やハリが向上すると考えられています。
  • コラーゲンペプチドは肌の水分量を増加させる
    コラーゲンペプチドの摂取により、肌の水分量が有意に上昇したという報告があります。 肌の水分量が増加することで、肌の乾燥を防ぎ、潤いを保つ効果が期待できます。

ペプチドおすすめな肌悩み

ペプチドは、以下のような肌悩みを持つ人におすすめです。ペプチドの効果は、種類や濃度、配合成分、個々の肌質などによって異なります。効果を最大限に引き出すためには、ご自身の肌質や悩みに合ったペプチド配合化粧品を選び、正しい方法で使用することが大切です。

  • ハリやツヤ不足が気になる人:ペプチドは、肌のハリやツヤ、弾力をサポートします。
  • 弾力不足が気になる人:ペプチドは肌の弾力をサポートします。
  • 乾燥肌の人:ペプチドは、肌のNMF(天然保湿因子)に含まれるアミノ酸から構成されるため、保湿効果があります。
  • 年齢肌が気になる人:
    • 年齢による深い肌悩みの原因は、加齢や紫外線などによるコラーゲン線維やエラスチン線維のダメージです。
    • グロースファクター(GF)と呼ばれるペプチドやコラーゲンやエラスチンをサポートするマトリキシルというペプチドが効果的。
  • 紫外線による肌ダメージが気になる人:紫外線はコラーゲンを分解する酵素を生成し、コラーゲンの減少や生成能力の低下を引き起こします。ペプチドは、コラーゲンの生成を促進する効果が期待されています。
  • ニキビ跡の凸凹が気になる人:トリペプチド-1銅は、皮膚のコラーゲンとエラスチンの生成を促す働きがあり、ニキビ跡の凸凹を改善する効果が期待されています。

ペプチドと相性の良い美容成分

ペプチドは、単独で使用しても効果がありますが、他の美容成分と組み合わせることで、より高い効果を発揮することができます。 ご自身の肌質や悩みに合わせて、適切な美容成分と組み合わせて使用することで、より効果的に美肌を目指しましょう。

ナイアシンアミド

ビタミンB群の一種で、美白効果、シワ改善効果、肌のバリア機能強化効果など、様々な美容効果があります。 ペプチドとナイアシンアミドを併用することで、相乗効果により、より効果的に肌の老化を防ぎ、若々しい肌を保つことができると考えられています。

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レチノール

ビタミンAの一種で、シワ改善、ニキビ改善、美白効果など、様々な美容効果があります。 レチノールは、ペプチドと比較して刺激が強い成分ですが、併用することで、レチノールによる刺激を緩和しながら、より効果的なエイジングケアを行うことができると考えられています。

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ビタミンC

コラーゲンの生成に必要不可欠な成分です。 ペプチドとビタミンCを併用することで、コラーゲンの生成を促進し、肌のハリや弾力を向上させる効果が期待できます。

ヒト脂肪幹細胞培養液: 再生医療の分野で注目されている成分で、肌の細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進する効果があります。 ペプチドとヒト脂肪幹細胞培養液を併用することで、相乗効果により、より高い美肌効果が期待できると考えられています。

ビタミンCの詳しい記事はこちら↓

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乳酸

乳酸は AHA の一種で、古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進する効果があります。

これらの美容成分とペプチドを組み合わせることで、肌の悩みをより効果的にケアすることができます。

相性の良い成分であっても、化粧品によって配合量や処方が異なるため、必ずパッチテストを行ってから使用してください。
妊娠中や授乳中の方は、使用前に医師に相談してください。

ペプチドを塗る順番は重要?

ペプチドは分子量が小さく、肌への浸透性が高いという特徴があります。そのため、ペプチド配合の美容液を使う場合は、洗顔後、化粧水で肌を整えた後、できるだけ早い段階で使用するのがおすすめです。

ペプチドよりも分子量が大きく、浸透するまでに時間がかかる成分であるヒアルロン酸やセラミドなどは、ペプチドよりも後に塗布するのが良いでしょう。

ペプチドを効果的に使用するためには、他の美容成分との相性や使用順序を考慮することが大切です。ご自身の肌質や使用している製品に合わせて、最適なスキンケア方法を見つけていきましょう。

これは一般的な情報であり、使用する製品の指示や個々の肌質によって最適な使用順序は異なる場合があります。

ペプチド配合化粧品使用時の注意点

ペプチド配合化粧品を使用する際の注意点としては、以下の点が挙げられます。

  • 副作用の可能性: ペプチドは一般的に安全性の高い成分ですが、トリペプチド-1銅など、一部のペプチドでは、皮膚刺激性、アレルギー反応、皮膚乾燥、過敏症などの副作用が生じる可能性があります。
    • かゆみ、赤み、腫れ、発疹、蕁麻疹、痛みなどの症状が出た場合は、直ちに使用を中止し、症状が重い場合は皮膚科医の診察を受けてください。
  • 製品の指示に従う: ペプチド配合化粧品には、使用上の注意や使用順序などが記載されている場合があります。必ず製品の指示に従って使用してください。
  • パッチテストの実施: 特に敏感肌の方は、新しいペプチド配合化粧品を使用する前に、パッチテストを行い、肌に合うかどうかを確認することが大切です。
    • パッチテストは、腕の内側などの目立たない部分に少量の化粧品を塗布し、24時間程度様子を見ることで、肌への刺激やアレルギー反応を確認できます。
  • 保管方法: ペプチドは、熱や光、酸素などに弱いため、適切な方法で保管することが大切です。直射日光や高温多湿を避け、冷暗所に保管してください。

まとめ

ペプチドは複数のアミノ酸がペプチド結合によってつながった化合物で、様々な効果があります。また他の美容成分と組み合わせることで、より高い効果を発揮することができます。 ペプチド配合の美容液は化粧水後できるだけ早い段階で使うのが推奨されますが、製品によって手順は異なるため、使用方法をよく読み指示に従いましょう。