アートメイクは専用の道具を使って皮膚に色素を注入するため、アレルギーやアトピー体質、肌がデリケートな方の中には「アートメイクができないのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。
この記事ではアートメイクを受けられる方や受けられない方の条件を詳しくご紹介します。
アレルギーについて
アレルギーがあるからといって、絶対にアートメイクができないというわけではありません。自ら判断せずクリニックに相談し施術を受けるようにしましょう。
金属アレルギーの方
アートメイクの施術を受ける前に必ず確認される質問の一つが「金属アレルギー」についてです。
金属アレルギーとは、汗や体液と触れた金属から金属イオンが溶け出し、体内のタンパク質と結合することで体が異物としみなして免疫反応がおこることです。汗をかきやすい夏だけに金属アレルギーの症状がでる場合もあります。免疫反応がおこると湿疹、赤みやかゆみ、ひどい場合は水ぶくれになることがあります。アレルギー反応が起こりやすい金属として挙げられるのが「水銀、ニッケル、コバルト、パラジウム、スズ、クロム、白金、亜鉛、銅」などです。
アートメイクの色素には発色の良い顔料が用いられており、微量ですが金属成分が含まれていることがほとんどです。また施術時に使用する針や専用のマシンの多くは金属製です。アレルギーを起こしにくい金属が使用されていますが、金属アレルギーの方は事前に申告しパッチテストを行うとより安心です。ただ、重度の金属アレルギーの方はアナフィラキシーショックなどのリスクが高いためパッチテストや施術を受けることができません。
過去にアートメイクの経験がある方も異なるクリニックで施術を受ける場合はパッチテストが推奨されます。色素にはさまざまな種類があり含まれる成分も異なるため、「前は大丈夫だった」からといって症状がでないとは限りません。金属アレルギーがある場合は必ず医師に相談し施術を受けるようにしましょう。
花粉症の方
花粉症はスギやヒノキなど植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状のことです。
花粉症の成分自体はアートメイクに影響を及ぼしませんが、目の痒みなどの症状がでている場合はアイラインのアートメイクの施術を受けることができません。ダウンタイム中に痒みで目元を擦ってしまうと色素の定着に影響するからです。
また花粉症の影響で肌トラブルが起きている場合はくしゃみなどで長時間じっとすることが難しい場合は眉やリップのアートメイクの施術も難しい場合があります。
花粉症の症状がひどい場合は花粉シーズンを避けてアートメイクの施術を受けるのが無難でしょう。
薬剤アレルギーの方
薬剤アレルギーの症状として最も多いのは「薬疹」と呼ばれる発疹です。アレルギーの方はアートメイクの施術時に使用する麻酔や処方される薬剤でアレルギー反応が出ることがあるので要注意です。クリニックに必ずアレルギーを発症した薬剤を伝え、施術可能かどうか相談しましょう。
ラテックスアレルギーの方
ラテックスアレルギーとは天然ゴムに含まれるラテックスという成分へのアレルギー反応を起こすことです。施術時に使用する手袋にラテックスが含まれていることがあるので、ゴムに触れるとかゆみが出るなど症状がある方は申告しておくと良いでしょう。
注意が必要な体質
アートメイクの施術を受けるために、注意しなければいけないのはアレルギーだけではありません。体質によってはアートメイクの施術をすることで肌トラブルが起きたり、症状を悪化させてしまう可能性があります。事前に相談することで予防できることもあるので必ずクリニックに相談しましょう。
アトピーの症状がある方
アトピーの症状が重度の場合はアートメイクの施術を受けることができません。ただ施術部位に症状が出ていない場合や肌の状態によっては施術が可能です。アトピーの方は皮膚がデリケートな状態になっていることが多いので事前のパッチテストで確認すると安心です。
ケロイド体質の方
ケロイド体質の方はアートメイクの施術を受けることができません。アートメイクは皮膚の浅い層に傷をつけ色素を注入するため、施術部位がケロイド状態になってしまうリスクがあるためです。
口唇ヘルペスができやすい方
普段から口唇ヘルペスができやすい方がリップアートメイクの施術を受けると単純ヘルペスが誘発されやすいため注意が必要です。トゥルーデザインクリニックではヘルペスの予防のため施術前に内服薬を飲んでいただいています。
こんな状況の人も要注意
妊娠中の方
クリニックによって判断が異なりますが、トゥルーデザインクリニックでは妊娠中の方へのアートメイクの施術はできません。アートメイクの施術中は仰向けの状態が続くため、苦しくなったりお腹が張ってしまう可能性があります。また妊娠中の方には麻酔が使用できないことや、何かがあった場合処方できる薬が限られていることも理由の一つです。
授乳中・妊活中の方
授乳中や妊活中の方に関しては、クリニックによって判断が異なるため事前に相談すると良いでしょう。当院では授乳中の方は施術後に48時間授乳を控えていただければ施術が可能です。
持病で内服薬を服用している方
慢性疾患(心臓病・高血圧・糖尿病など)や内科の病気の治療中の方も注意が必要です。内服している薬の種類によっては施術ができない可能性があるため、必ず医師に相談するようにしましょう。
免疫力が低下している方
抗がん剤治療中の方やステロイド剤を長期に使用しているなど、免疫力が低下している方は感染リスクが高いため施術することができない可能性があります。
日焼けをした方
アートメイクの施術の前は日焼けを控えるようにしましょう。紫外線を浴び日焼けしてしまうと、肌のターンオーバーが乱れてしまいアートメイクの仕上がりに影響が出る可能性がございます。そのため施術前だけではなく施術後も日焼けしないよう注意が必要です。
レチノールやピーリングをしている方
肌のターンオーバーを促すレチノールやピーリングは、アートメイクの施術前後は使用してはいけません。肌のターンオーバーによって注入した色素が排出されてしまい、仕上がりに影響がでる可能性があるからです。少なくとも前後2週間は期間をあけるようにしましょう。
まとめ
アートメイクの施術はアレルギーやアトピーの方なども受けられますが、肌の健康状態や状況によっては症状を悪化させる可能性があります。アレルギーやアトピーでなくても、妊娠中や授乳中、日焼け後などはアートメイクの施術が難しかったり、色素がうまく定着しない場合があるので注意が必要です。自己判断せずに必ずクリニックに相談するようにしましょう。