一般的に「ピーリング」といえば、古い角質を除去して、皮が剥けるピーリングをイメージする方が多いのではないでしょうか。
皆さんが想像するピーリング以外にも浸透型のものもあれば、マシンを使用して行うピーリングもあります。
今回は、その中でも浸透型のマッサージピーリングを紹介します。
「効果がない」や「後悔する」と言われているマッサージピールですが、なぜそう言われているのか、失敗しないためにどうしたら良いのかについて詳しく解説していきます。
また、他のピーリングについても解説しているので、どの施術をしようか迷っている方も参考にしてみてください。
ピーリングとは?
美容医療で行っているピーリングは、専用の薬剤やマシンを使用し、肌表面の古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進する施術のことです。
そもそも古い角質が蓄積したり、ターンオーバーが乱れたりすることでどのようなことが起きるのでしょうか。
古い角質の蓄積、ターンオーバーの乱れによって起こる肌トラブル
古い角質が蓄積すると起こる肌トラブル
肌表面に古い角質が溜まると以下のような肌トラブルが起こる可能性が高くなります。
ターンオーバーが乱れると起こる肌トラブル
ピーリングの種類
「ピーリング」と言っても、いくつか種類があるので、どのようなピーリングの施術があるのか紹介します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を肌へ塗布して古い角質を落とし、肌のターンオーバーを促進する施術です。
効果
- ニキビや毛穴の開きの改善
- 肌のハリや弾力の向上
- シミやくすみの改善
ケミカルピーリングの種類
ケミカルピーリングには主に3種類あり、それぞれの特徴と効果についてまとめました。
施術名 | 特徴 | 効果 | 即効性 | ダウンタイム |
グリコール酸ピーリング | 分子構造が小さいため、肌への浸透性が高い | 毛穴の詰まり、ニキビ、くすみの改善 | 〇 | 2~3日(赤み・ひりつき・熱感など) |
サリチル酸ピーリング | 毛穴の奥の皮脂を溶かし、ニキビを改善・角質を柔らかくし、毛穴の詰まりを解消 | 脂性肌、ニキビ肌 | 〇 | 2~3日(赤み・ひりつきなど) |
乳酸ピーリング | セラミドを増やし肌の弾力を改善・メラニンの生成を抑えてシミを改善 | 美肌効果、シミの改善、保湿効果 | 〇 | 数日(赤み・ひりつきなど) |
浸透型ピーリング
浸透型ピーリングは、薬剤を肌に浸透させることで効果を得る施術で、肌への刺激が比較的少ないのが特徴です。
効果
- 肌のハリや弾力の向上
- シミやくすみの改善
- 肌のトーンアップ
- 毛穴の開きや黒ずみの改善
- ニキビ跡の改善
浸透型ピーリングの種類
浸透型ピーリングは主に2種類です。マッサージピールについては後ほど、詳細を説明します。
施術名 | 特徴 | 効果 | 即効性 | ダウンタイム |
マッサージピール | トリクロロ酢酸、過酸化水素、コウジ酸を主成分とする薬剤をマッサージしながら肌に浸透させ、真皮層に働きかけコラーゲン生成を促進 | 肌のハリと弾力の向上、シミやくすみ、毛穴の開き・黒ずみの改善、ニキビ跡の改善、肌のトーンアップなど | ◎ | 数日(赤み・腫れなど) |
ミラノリピール | 複数の酸をブレンドすることで、肌の再生を促進 | ターンオーバーを効果的に促し、シミやくすみの改善 | △ | 数日(赤み・ひりつき・乾燥など) |
マシンピーリング
機械を使用して物理的に角質を取り除く施術です。
薬剤を使用するケミカルピーリングや浸透型ピーリングとは異なり、機械の力で肌の表面を滑らかにしたり、肌の深部に働きかけたりします。
効果
- 肌のターンオーバーの促進
- 古い角質、毛穴の汚れや皮脂の除去
- 肌のハリや弾力の向上
- シミやくすみの改善
- ニキビやニキビ跡の改善
マシンピーリングの種類
マシンピーリングは2種類あります。
施術名 | 特徴 | 効果 | 即効性 | ダウンタイム |
ハイドラフェイシャル | 水流と吸引を組み合わせて、毛穴の汚れや皮脂を取り除きながら、同時に保湿成分を導入 | クレンジング効果、保湿効果 | ◎ | 2~3日程度(赤み・ひりつきなど) |
レーザーピーリング | レーザーを使用して肌の表面を削り取る | シミ、シワ、ニキビ跡など | ◎ | 数日(赤み、腫れ、かゆみなど) |
マッサージピールとは
ここからは、ピーリングの中でも、マッサージピールにフォーカスして解説していきます。
マッサージピールとは
マッサージピールとは、「PRX-T33」というピーリング剤をマッサージしながら肌に浸透させる施術で、別名「コラーゲンピール」とも呼ばれています。
この「PRX-T33」には、トリクロロ酢酸・過酸化水素・コウジ酸の3つを主成分とし、それぞれの効果によって、多様な悩み対して効果が期待できます。
それぞれの作用について紹介します。
トリクロロ酢酸
トリクロロ酢酸は、線維芽細胞の活性化に効果が期待できる成分です。
線維芽細胞は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分を生成する細胞で、活性化させることにより、それら成分の生成を促進し、シワやたるみの改善、肌の弾力アップに繋がります。
また、肌のターンオーバーも促進してくれるので、古い角質を除去し、シミやそばかす、ニキビ跡の改善にも効果的です。
一方で、トリクロロ酢酸は単体で使用すると、ピーリング作用が強力なため、肌への刺激が強く、肌荒れや炎症の原因となる可能性があります。マッサージピールでは、過酸化水素と組み合わせて使用することで、炎症作用が緩和され、肌への負担を軽減しています。
過酸化水素
過酸化水素は、トリクロロ酢酸による肌への刺激を緩和しながら、コラーゲン生成を促進し、肌のターンオーバーを促すことで、肌のハリや弾力の向上や美白効果が期待できる成分です。
過酸化水素が含まれることで、従来のピーリング施術で起こりがちだった皮むけを軽減し、ダウンタイムを短縮するという役割も担っています。
また、トリクロロ酢酸と同様に、線維芽細胞の活性化に加え、コラーゲン生成を助ける成長因子(FGF)を増やすという役割も果たします。
コウジ酸
コウジ酸は、美白効果と肌のトーンアップ効果を発揮してくれる成分です。
マッサージピールにおいて、コウジ酸にはメラニン生成の抑制、抗糖化作用、保湿効果の3つの役割があります。
メラニン色素の生成に関わる酵素であるチロシナーゼの活性を抑制する働きがあり、これにより、シミ、くすみ、肝斑、色素沈着などのメラニンが原因の肌トラブルを改善し、肌の美白効果が期待できます。
そして、肌の黄ばみやくすみの原因となる肌のタンパク質の糖化を抑制し、肌のトーンアップに貢献します。
マッサージピールの効果
マッサージピールは、「コラーゲンピール」と言われている通り、コラーゲンの生成を促進させることで様々な肌トラブルの改善が期待できます。
どのような肌トラブルの改善に効果的なのかについて紹介していきます。
シワの改善
マッサージピールに含まれるトリクロロ酢酸や過酸化水素の効果によって、肌の再生を促し、弾力とハリを取り戻すことで、シワの改善に繋がります。
たるみの改善
コラーゲンの生成が促進されることで、下がっていた皮膚のたるみがふっくらと持ち上げられます。
また、マッサージをすることにより、血行が促進され、肌が引き締まりやすくなります。
そのため、たるみが改善され、フェイスラインが施術前より引き締まる効果が期待できます。
毛穴の引き締め
肌の表面に蓄積した古い角質や不要な皮脂を効果的に取り除くことで毛穴が詰まりにくくなり、開いたり広がったりしにくくなります。
そして、マッサージにより、血行を促進し、肌が引き締まると共に、開いていた毛穴の引き締めにも繋がります。
毛穴の黒ずみを軽減
ピーリング作用により古い角質は取り除かれ、肌の代謝が良くなり、黒ずみの軽減・防止が期待できます。
ニキビ跡の改善
マッサージピールのコラーゲンの生成を促進する働きと、肌の代謝を活発にする作用により、皮膚の再生が進み、ニキビ跡が徐々に目立たなくなる効果が期待できます。
シミやくすみの改善
コウジ酸の効果により、メラニン生成が抑制され、シミやくすみ予防に役立ち、肝斑の改善にも効果的です。
肌のトーンアップ効果
コウジ酸は、肌のタンパク質の「糖化」をブロックする働きがあるため、くすみが薄くなり肌のトーンアップが期待できます。
肌のハリ・弾力の向上
トリクロロ酢酸が、真皮に浸透し線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンの生成が促進し、肌のハリ・弾力の向上に繋がります。
肉割れや妊娠線を目立たなくする
コラーゲン生成の促進により、皮膚の急激な伸びや体重変化によって引き起こされる肉割れや妊娠線にも効果が期待できます。
ターンオーバーを整える
トリクロロ酢酸は皮膚のターンオーバーを促進する作用があり、肌の保水力がアップすることで細胞分裂が盛んになり、古い細胞が表面へと押し出されて角質として剥がれ落ちていくことで、健康的な肌状態を保つことができるでしょう。
マッサージピールが向いている人・向いていない人
マッサージピールが向いている人
- メスを使った美容施術に抵抗がある人
- きめ細かい肌や乾燥肌の人
- ダウンタイムの少ない施術を希望する人
- 肌の調子をリセットしたい人
- これまでに肌治療を行ってきた人
マッサージピールが向いていない人
- 脂性肌、肌が黒ずんでいる人
- ニキビ肌の人
- 重度の敏感肌の人
- 配合成分に対する過敏症やアレルギーがある人
- 妊娠中または授乳中の人
マッサージピールが「効果がない」と言われる理由
マッサージピールは「効果がない」や「やって後悔した」という方もいます。
しかし、そう言われるには理由があるので、なぜ、そのように言われてしまうのかを解説します。
施術回数・頻度が適切ではない
一般的には、初めてマッサージピールを受ける場合、理想的な施術頻度は1〜2週間に1回のペースで、平均5回程度の施術回数が効果を実感するためには必要とされています。
施術頻度が高いと、肌の負担になり、「ビニール肌」になる可能性があります。
「ビニール肌」とは、角質層が薄くなり凹凸のないツルツルした状態のことを指し、一見綺麗には見えるものの、ハリがなく乾燥している状態です。
角質層が薄くなることで、肌のバリア機能や免疫機能が低下し、肌荒れや慢性的に炎症が起こりやすくなったり、肌トラブルのリスクが増加したりしてしまいます。
また、せっかく施術で保湿をしているにも関わらず、短期間に施術を繰り返してしまうことで逆効果になり、肌の保水力が低下し、乾燥肌になるリスクが高まります。
アフターケアが不十分
マッサージピールに限らず、美容施術の効果の実感には、施術後のアフターケアはとても大切です。
施術後の肌は、デリケートな状態になっているため、 普段通りのスキンケア以上に保湿や紫外線対策を徹底する必要があります。
施術の効果を充分に実感するためには、アフターケアは丁寧に行いましょう。
サロンで施術を受けている
エステサロンで使用する薬剤は、美容クリニックで使用するものよりも成分の濃度が低いため、効果を実感しにくい場合があります。
個人の肌質や肌状態
マッサージピールが向いていない人でも紹介したように、もともとの肌質や肌状態によっては、施術を行っても効果を感じられなかったり、逆効果になってしまったりする可能性があります。
炎症やニキビなどの肌荒れが起きたり、稀に肝斑が悪化したりすることもあります。
現在の悩みの改善には、マッサージピールの施術が適しているのか分からない場合は医師に相談することをおすすめします。
セルフ施術のリスク
美容クリニックではなく、セルフでマッサージピールを行うことも効果が実感できない・後悔するという要因の1つに挙げられます。
セルフで行うことでどのようなリスクがあるのかを紹介します。
薬剤の品質
個人輸入やネットなどでも薬剤は、販売されており、そこから購入したものの品質は不透明である可能性があります。
成分の配合量が少ないもの、防腐剤が多すぎるものなど品質に問題がある場合もあります。
品質が保証されないため、効果がないだけでなく、肌に悪影響を与えてしまうかもしれません。
正しい施術方法ではない
マッサージピールをセルフで行う方法は、ブログやSNSなどに載せられており、参考にして施術する場合がほとんどではないでしょうか。
その場合、記載されている情報は、医療的なア観点に基づいているとは限らず、誤った方法で行う可能性があります。
また、施術頻度も肌状態に合わせて適切なタイミングの判断が難しく、肌トラブルに繋がるリスクが高まります。
肌トラブルは自己責任
薬剤の品質や誤った施術方法により、肌荒れや炎症が起こった場合、全て自己責任で対処しなければなりません。
肌トラブルが起こってしまった場合、治すための治療や施術が必要になる場合もあります。
施術前に医師による肌状態の確認も行われないため、改善したいと思っていた症状がさらに悪化したり、炎症を起こしたりしてしまうリスクが高くなります。
マッサージピールで後悔しないための注意点
クリニック(医療機関)で施術を受ける
医師による正確な肌状態の把握と、マッサージピールで肌トラブルの改善が見込めるかを判断してもらいましょう。
美容クリニックの薬剤は、正規品を使用しており、配合成分も確認でき、安心して施術を受けることができます。
そして、美容クリニックは医療機関なので、衛生管理が行き届いており、適切な場所にて薬剤を保管するため、劣化の心配もありません。
施術に関しても、医師の管理の元、正しい施術方法で、安全かつ効果的な施術が可能です。
施術回数・頻度を守る
マッサージピールの効果を実感し、持続させるためには、施術回数と施術頻度はとても大切です。
初めてマッサージピールを受ける場合は、1~2週間に1回のペースを5回程度が理想的と言われています。
期間の空けすぎは、前の施術の効果が薄れ治療効率が悪くなり、反対に高頻度の施術は、肌の負担になり、乾燥肌になったり、慢性的に炎症を起こしやすくなったり、肌の免疫力が低下する可能性があります。
5回目以降は、肌の状態に合わせて、1~2ヶ月に1回のペースで施術を行うと、ターンオーバーが整い、肌のコンディション維持に役立ちます。
適切なアフターケア
マッサージピール後の肌は、とても敏感になっているため、アフターケアは徹底して行いましょう。
必要なケアとしては、紫外線対策、保湿、刺激の回避が挙げられます。
施術後に赤みが出ている間は、紫外線の影響で色素沈着のリスクが高まってしまう為、紫外線対策は必ず行いましょう。
施術後は肌が乾燥しやすいため、充分に保湿を行ってください。ヒアルロン酸配合の保湿クリームを使用することで、施術の効果を長持ちさせることができるので、持っている方は使用することをおすすめします。
施術直後より、メイクは可能ですが、肌に刺激を与える成分を含むスキンケアの使用や強くこするなどの行為は避けましょう。
施術の数日後に皮剥けが起こることがありますが、無理に剥かしてしまうと赤みが残る場合もあるため、保湿をして落ち着くのを待ちましょう。
まとめ
ここまでマッサージピールについて、解説してきました。
マッサージピールは、幅広い肌トラブルに対して効果を発揮する美容施術です。
しかし、施術回数や頻度などが適切でない場合は、効果を実感しにくい場合があります。
効果をしっかりと実感するためにも、クリニックや医師と相談しながら、施術を受けるようにしましょう。
TDCのマッサージピール
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