【医師監修】唇のかさぶたができる原因と効果的なケア方法

多くの女性が一度は経験する、唇にできてしまった「かさぶた」。

鏡を見るたびに気になって、ついつい剥がしてしまいたくなるこの困った状態、どうにかしたいと悩んでいませんか?

「もしかして、何か病気なの?」「どうしたら早く治るの?」そんな不安や疑問を抱えているあなたのために、今回は唇のかさぶたができる原因から、正しいケア方法、そして美しい唇を取り戻すための秘訣まで、徹底的に解説していきます。

この記事を読めば、あなたの唇のかさぶたに関する悩みがきっと解決するはずです。

もう、かさぶたに悩まされる日々とはお別れして、自信の持てるぷるぷるの唇を手に入れましょう。

唇のかさぶた、その正体と主な原因

唇のかさぶたは、見た目にも気になるだけでなく、食事や会話の際に痛みを感じることもあります。

そもそも、なぜ唇にかさぶたができてしまうのでしょうか?

その原因は一つではありません。いくつかの要因が複雑に絡み合って発生することがほとんどです。

ここでは、唇にかさぶたができる主な原因について詳しく見ていきましょう。

乾燥によるダメージ

唇は、皮膚の中でも特に薄く、皮脂腺(ひしせん:皮脂を分泌する腺)がないため、非常に乾燥しやすい部位です。
空気が乾燥している冬場はもちろんのこと、エアコンの効いた室内や、風の強い日なども唇は常に乾燥の脅威にさらされています。
唇が乾燥すると、表面の角質層(かくしつそう:皮膚の一番外側の層)がめくれ上がりやすくなり、小さなひび割れや傷ができてしまいます。
この傷を修復しようとする体の働きによって、かさぶたが形成されるのです。
また、唇の乾燥は、唇のバリア機能(外部からの刺激から体を守る機能)を低下させ、さらなるトラブルを引き起こしやすくなります。

唇を触る、剥がすなどの癖

「唇のかさぶたが気になって、つい触ってしまう」
「乾燥している唇の皮を剥がしてしまう」といった癖はありませんか?
これは、唇のかさぶたを悪化させる大きな原因の一つです。
唇のかさぶたは、傷が治る過程でできるものですが、無理に剥がしてしまうと、まだ治りきっていないデリケートな皮膚を傷つけ、出血したり、さらに大きなかさぶたを作ってしまったりする可能性があります。
また、手には目に見えない雑菌が多く付着しており、剥がした傷口から雑菌が侵入し、炎症を引き起こすリスクも高まります。
無意識のうちに唇を触ってしまう癖は、意識的にやめるよう心がけることが大切です。

紫外線によるダメージ

紫外線は、肌だけでなく唇にも大きなダメージを与えます。
特に、唇はメラニン色素(めらにんしきそ:紫外線を吸収して肌を守る色素)が少ないため、紫外線の影響を受けやすい部位です。
日焼けによって唇が炎症を起こすと、赤み、腫れ、水ぶくれ、そして最終的にはかさぶたが形成されることがあります。
これは「日光口唇炎(にっこうこうしんえん)」と呼ばれることもあります。
夏場だけでなく、冬場のスキーやスノーボードなど、紫外線が強い場所に出かける際も、唇の紫外線対策は非常に重要になります。

口紅やリップ製品による刺激

毎日使う口紅やリップクリームが、実は唇のかさぶたの原因になっている可能性も考えられます。
特定の成分に対するアレルギー反応や、合わない製品による刺激が、唇の荒れやかさぶたを引き起こすことがあります。
新しいリップ製品を使い始めてから唇の調子が悪いと感じたら、その製品の使用を一時的に中止し、様子を見てみましょう。
また、香料や着色料が多く含まれる製品は、敏感な唇には刺激となることもあるため、できるだけ低刺激性の製品を選ぶことをおすすめします。

栄養不足や体調不良

私たちの体は、食べたものでできています。
栄養バランスの偏りや、睡眠不足、ストレスなどによる体調不良は、唇の健康にも影響を与えます。
特に、ビタミンB群(ビタミンB2やB6など:皮膚や粘膜の健康維持に必要な栄養素)が不足すると、口角炎(こうかくえん:口角が切れて炎症を起こす症状)や唇の荒れを引き起こしやすくなると言われています。
免疫力が低下している時も、唇にトラブルが起きやすくなるため、日頃からバランスの取れた食事を心がけ、十分な休息を取ることが大切です。

唇のかさぶた、効果的な治し方と正しいケア

唇にかさぶたができてしまった時、どうすれば早くきれいに治せるのでしょうか?

ここでは、効果的な治し方と、今後の再発を防ぐための正しいケア方法をご紹介します。

焦らず、地道なケアを続けることが、美しい唇を取り戻すための近道です。

保湿ケアを徹底する

唇のかさぶたを治す上で、最も重要なのが「保湿」です。

乾燥が原因でかさぶたができている場合も、他の原因でできたかさぶたの治癒を早めるためにも、保湿は欠かせません。

  • リップクリームの選び方:敏感な唇には、ワセリンやシアバター、セラミド(せらみど:肌のバリア機能を高める成分)などの保湿成分が主成分の、低刺激性のリップクリームを選びましょう。香料や着色料、防腐剤(ぼふうざい:製品の品質を保つために使用される成分)などが無添加のものを選ぶと、さらに安心です。
  • 正しい塗り方:リップクリームは、唇の縦ジワに沿って、優しく塗るのがポイントです。ゴシゴシと力を入れて塗ると、かえって唇に負担をかけてしまいます。日中もこまめに塗り直し、乾燥を感じる前に保湿を心がけましょう。特に、食後や歯磨き後、入浴後など、唇が乾燥しやすいタイミングでの保湿は必須です。
  • 夜間のスペシャルケア:就寝前には、少し厚めにリップクリームを塗ったり、リップバーム(りっぷばーむ:リップクリームよりも固めの保湿剤)を塗ってラップパックをしたりするのも効果的です。これにより、寝ている間に唇が集中保湿され、翌朝にはふっくらとした唇を実感できるでしょう。

唇に触れる癖を直す

唇のかさぶたを早く治すためには、何よりも「触らないこと」「剥がさないこと」が重要です。

無意識のうちに触ってしまう癖がある場合は、意識的にその行動を止めましょう。

  • 意識改革:「触ると治りが遅くなる」「雑菌が入る可能性がある」ということを常に頭に入れておきましょう。
  • 対策:唇を触りそうになったら、代わりに水を飲んだり、ガムを噛んだりするなど、別の行動に置き換える工夫をしてみましょう。また、日中もリップクリームをこまめに塗ることで、唇の乾燥による不快感を軽減し、触りたい衝動を抑えることにもつながります。

紫外線対策を行う

紫外線は唇にも悪影響を与えます。
日中の外出時には、UVカット効果のあるリップクリームを使用しましょう。
SPF(えすぴーえふ:紫外線B波を防ぐ効果を示す数値)やPA(ぴーえー:紫外線A波を防ぐ効果を示す数値)の表示があるものを選ぶと良いでしょう。
特に、夏場や、スキーなどのウィンタースポーツを楽しむ際は、紫外線対策を怠らないようにしてください。
帽子や日傘で顔全体を覆うことも、唇の紫外線対策に役立ちます。

栄養バランスの取れた食事と十分な休息

体の内側からのケアも、唇の健康には不可欠です。

  • ビタミンB群を積極的に摂取:唇の健康に良いとされるビタミンB2やB6が多く含まれる食品を積極的に摂りましょう。具体的には、レバー、うなぎ、納豆、卵、乳製品、緑黄色野菜などに豊富に含まれています。
  • バランスの良い食事:偏った食生活は避け、様々な食品から必要な栄養素をバランス良く摂取することを心がけましょう。
  • 十分な睡眠とストレス軽減:睡眠不足やストレスは、免疫力を低下させ、唇のトラブルを招きやすくなります。質の良い睡眠を確保し、ストレスを上手に解消する方法を見つけることも大切です。適度な運動やリラックスできる趣味を見つけるのも良いでしょう。

症状が改善しない場合は皮膚科を受診する

セルフケアを続けても唇のかさぶたがなかなか改善しない場合や、痛み、腫れ、かゆみがひどい場合は、迷わず皮膚科を受診しましょう。
自己判断で市販薬を使用するよりも、専門医の診察を受けることで、適切な診断と治療を受けることができます。
アレルギー性口唇炎(こうしんえん:唇に起こるアレルギーによる炎症)や、ヘルペス(へるぺす:ウイルス感染による唇の病気)など、専門的な治療が必要な病気が隠れている可能性も考えられます。

唇のかさぶたを予防する!日頃からできること

一度できてしまうと厄介な唇のかさぶた。

できることなら、事前に予防したいですよね。

ここでは、日頃からできる唇のかさぶた予防策をご紹介します。

日々のちょっとした心がけが、美しい唇を保つ秘訣です。

適切な湿度を保つ

空気が乾燥していると、唇も乾燥しやすくなります。
特に冬場やエアコンの効いた室内では、加湿器などを活用して室内の湿度を適切に保つようにしましょう。
一般的に、湿度は50~60%が快適とされています。寝室に加湿器を置くのも効果的です。

刺激の少ないリップケア製品を選ぶ

普段使いのリップクリームや口紅は、できるだけ低刺激性のものを選びましょう。
特に唇が敏感な方は、無香料・無着色・防腐剤フリー(ぼふうざいふりー:防腐剤が添加されていないこと)などの表示がある製品を試してみるのがおすすめです
また、リップメイクを落とす際も、専用のリムーバー(りむーばー:化粧落とし)を使用し、ゴシゴシ擦らず優しく丁寧に落とすことが大切です。
メイク残りも唇の刺激になることがありますので注意しましょう。

水分補給をしっかり行う

体内の水分が不足すると、唇も乾燥しやすくなります。
喉が渇いていなくても、こまめに水分を補給することを心がけましょう。
水やお茶など、カフェイン(かふぇいん:利尿作用がある成分)の少ない飲み物がおすすめです。
特に運動後やお風呂上がりは意識的に水分を摂るようにしてください。

栄養バランスの取れた食生活を続ける

予防においても、栄養バランスの取れた食事は非常に重要です。ビタミンB群だけでなく、ビタミンC(びたみんしー:コラーゲンの生成を助ける栄養素)ビタミンE(びたみんいー:血行を促進する栄養素)など、肌の健康を保つための様々な栄養素を積極的に摂取しましょう
新鮮な野菜や果物、良質なタンパク質(たんぱくしつ:体の組織を作る栄養素)を毎日の食事に取り入れることが大切です。

ストレスを溜め込まない工夫

ストレスは、自律神経(じりつしんけい:体の機能を自動的に調整する神経)の乱れを引き起こし、体の免疫力を低下させる原因となります。
免疫力が低下すると、唇だけでなく、様々な体の不調が現れやすくなります。
趣味の時間を作ったり、適度な運動を取り入れたり、リラックスできる時間を作るなど、自分なりのストレス解消法を見つけて実践しましょう。

まとめ:美しい唇は毎日の正しいケアから

唇にかさぶたができる原因は多岐にわたりますが、ほとんどの場合、乾燥や刺激、生活習慣の乱れが関係しています。

この記事でご紹介したように、正しい保湿ケア、唇に触れる癖を直すこと、紫外線対策、そして栄養バランスの取れた食事と十分な休息、これらを日々の生活に取り入れることが、かさぶたを治し、そして予防するための最も効果的な方法です。

もし、セルフケアを続けても症状が改善しない場合は、一人で悩まずに皮膚科を受診してください。

専門医の診断と適切な治療を受けることで、より早く美しい唇を取り戻すことができます。

あなたの唇は、あなたの魅力を引き出す大切なパーツです。

今日から正しいケアを実践して、自信の持てる健康で美しい唇を手に入れましょう!

FAQ:唇のかさぶたに関するよくある質問

ここでは、唇のかさぶたに関するよくある質問にお答えします。

唇のかさぶたは、剥がしても大丈夫ですか?
いいえ、絶対に剥がさないでください。かさぶたは、傷が治る過程で形成される皮膚の保護膜のようなものです。無理に剥がしてしまうと、まだ治りきっていないデリケートな皮膚を傷つけ、出血したり、さらに大きなかさぶたができたりする可能性があります。また、傷口から雑菌が入り込み、炎症を起こすリスクも高まります。かさぶたは自然に剥がれ落ちるのを待つのが一番です。
リップクリームは、どんなものを選べばいいですか?
唇が敏感な状態にある場合は、ワセリン、シアバター、セラミドなどの保湿成分が主成分の、低刺激性のリップクリームを選ぶことをおすすめします。無香料、無着色、防腐剤フリーの表示があるものを選ぶと、さらに刺激を抑えられます。たくさんの種類がありますが、まずは成分表示をよく確認し、ご自身の唇に合うものを見つけることが大切です。
唇のかさぶたは、どのくらいで治りますか?
唇のかさぶたが治るまでの期間は、原因や症状の重さ、そして日頃のケアによって大きく異なります。軽度の乾燥によるものであれば数日で改善することもありますが、炎症がひどい場合や、何度も繰り返している場合は、数週間かかることもあります。正しいケアを継続し、唇を安静に保つことが治癒を早めるポイントです。もし、セルフケアを続けてもなかなか治らない場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
唇のかさぶたができやすい体質なのでしょうか?
唇のかさぶたができやすいと感じる場合、いくつか考えられる要因があります。もともと唇が乾燥しやすい体質であること、唇を触ったり剥がしたりする癖があること、アレルギー体質であること、あるいは日頃の生活習慣(栄養不足、睡眠不足、ストレスなど)が影響している可能性があります。ご自身の生活習慣を見直し、原因となりそうなものがあれば改善を試みましょう。また、慢性的に繰り返す場合は、皮膚科で相談してみることも有効です。
唇のかさぶたに効く食べ物はありますか?
唇のかさぶたに直接「効く」という特定の食べ物はありませんが、唇の健康を保つために積極的に摂りたい栄養素はあります。特に、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンB群(ビタミンB2、B6など)が豊富な食品(レバー、うなぎ、納豆、卵、乳製品、緑黄色野菜など)はおすすめです。また、コラーゲンの生成を助けるビタミンC(果物、野菜など)や、血行促進に役立つビタミンE(ナッツ類、植物油など)も、唇の健康をサポートしてくれます。バランスの取れた食生活を心がけることが、唇の健康維持につながります。

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