鏡を見たらなんだかかさぶたがまだらになっていて、「これって普通なの?」「失敗しちゃったのかな…」と、少し不安な気持ちになっていませんか?
インターネットで検索してみても、情報がたくさんあって余計に混乱してしまうこともあるかもしれませんね。
アートメイク後にかさぶたがまだらになることは、実は多くの方が経験することで、必ずしも失敗ではありません。
この記事では、アートメイク後のかさぶたがまだらになる原因や、それが正常なことなのか、そして一番大切な「今、どうすればいいのか」を、あなたの不安に寄り添いながら分かりやすく解説します。
そもそもアートメイクのかさぶたとは? なぜできるの?
アートメイクは、専用のニードルを使って皮膚の表面から約0.1~0.2mmというごく浅い層に色素を入れていく施術です。
私たちの体には、傷ができるとそれを自分で治そうとする素晴らしい自然治癒力が備わっています。
この治癒過程で、傷口を保護し、外部からの細菌の侵入を防ぎ、新しい皮膚が再生するための土台を作るために形成されるのが「かさぶた」なんです。
アートメイクの場合も同様で、皮膚に入った色素をしっかりとその場所に留めておくためにも、一時的にかさぶたができて保護する役割を担っています。
つまり、アートメイク後にかさぶたができるというのは、お肌が正常に回復しようとしているサインであり、施術がうまくいっていることの証でもあります。
「かさぶた=問題」ではなく、経過の一部として捉えることが大切なのです。
このかさぶたが、回復が進むにつれて自然にポロポロと剥がれ落ちていくことで、その下に色素が定着した新しいお肌が現れてきます。
どうしてアートメイクのかさぶたはまだらになるの?考えられる主な原因
さて、かさぶたができるのは分かったけれど、どうしてそれが均一ではなくまだらになってしまうのでしょうか。
これにはいくつかの理由が考えられます。
自然な治癒スピードのばらつき
まず最も多いのが、私たちのお肌の自然な治癒スピードのばらつきです。
人間の体は機械のように全てが均一に動くわけではありません。
同じ人のお肌でも、施術部位の場所によって皮膚の厚みや代謝の速度が微妙に違ったりします。
そのため、かさぶたが硬くなるスピードや、剥がれ始めるタイミング、そして剥がれ落ちるペースが部分的に異なってしまうことがあるんです。
色素が定着している深さや密度にわずかな差がある
施術によって色素が定着している深さや密度にわずかな差がある場合も影響します。
プロの施術者であっても、手彫りであれマシンであれ、皮膚の非常に浅い層で行う繊細な作業ですから、ミリ単位、ミクロン単位で色素の入り方にわずかな差が生じることがあります。
この差が、かさぶたの付き方や剥がれ方に反映されて、まだらに見えてしまう原因となることがあるんですね。
患部への刺激
さらに、アートメイク後の過ごし方も大きく関係します。
無意識のうちに施術部位を触ったり、擦ってしまったりすることはありませんか?
洗顔時やタオルで顔を拭く際、寝ている間に枕に擦れるなど、特定の場所だけが物理的な刺激をより多く受けると、その部分のかさぶただけが早く剥がれてしまい、結果としてまだらに見えてしまうことがあります。
乾燥
施術部位の乾燥もまだらになりやすい原因の一つです。
乾燥した部分のかさぶたは硬くなりやすく、きれいに剥がれずにひび割れたり、剥がれ方が不均一になったりすることがあります。
他にも、その方の体質や年齢、血行などが治癒スピードに影響したり、眉毛であれば表情筋の動きが物理的な負荷になったりすることも考えられます。
これらの様々な要因が複合的に絡み合って、かさぶたが完全に一様に剥がれることが難しくなり、まだらという状態になってしまうのです。
アートメイクのかさぶたがまだらでも大丈夫?正常な範囲とは
結論からお話しすると、アートメイク後のかさぶたが多少まだらになることは、多くの場合、正常な治癒過程の一部であり、過度に心配する必要はありません。
むしろ、かさぶたが完全に綺麗に、一気に剥がれ落ちるという方が珍しいケースかもしれません。
では、どんな状態であれば正常な範囲と言えるのでしょうか。
それは、かさぶたがまだらになっている箇所に、強い痛みや我慢できないほどのかゆみ、熱を持っている感じ、そして膿のような黄色や緑色の分泌物が出ていない場合です。
ただ見た目がかさぶたの剥がれかけで不均一に見えるだけで、施術部位周辺が異常に赤く腫れてきたり、ズキズキとした痛みが続いたりといった、明らかな炎症や感染を示すサインがない場合は、ご自身の体が順調に回復に向かっていると考えて大丈夫です。
このまだらな状態は、一時的なものです。
全てのかさぶたが剥がれ落ちるのを待ち、さらにその後の皮膚の代謝が進むにつれて、下に定着した色素が安定してくることで、最終的にはこのまだらな見た目は解消されていくことがほとんどです。
見た目が気になってしまう気持ちはとてもよく分かりますが、これは回復の途中段階です。
焦らず、お肌の回復力と、施術してくれた方の技術を信じて、見守ってあげることが大切です。
まだらなかさぶた、どうすればいい?正しいケア方法とNG行動
まだらなかさぶたを見ると、つい触ってしまったり、「早く剥がしたい!」と思ってしまったりするかもしれません。
しかし、ここで最も大切なのは触らない、無理に剥がさないことです。
まだ定着しきれていない色素まで一緒に剥がれてしまったり、皮膚を傷つけてしまい、それが原因で色素がきちんと入らなかったり、最悪の場合、傷跡になってしまうリスクがあります。
まだらにかさぶたができた時の、正しいケア方法と避けるべきNG行動について紹介します。
正しいケア方法
- 説明された方法でアフターケアを行う
- 施術部位を清潔に保つ
- 施術部位を保湿する
基本は、施術を受けたクリニックから受け取ったアフターケアに関する指示を正確に守ることです。
多くの場合は、施術部位を清潔に保つことと、適切な保湿が推奨されます。
洗顔は、施術者から指示された方法で行い、ゴシゴシ擦ることは絶対に避けてください。
保湿に関しては、処方された軟膏やワセリンがあれば、乾燥を感じる前に、あるいは指示された頻度で優しく薄く塗布しましょう。
乾燥はかさぶたを硬くし、剥がれ方を不均一にしたり、かゆみを引き起こしたりする原因になりますので、保湿は非常に重要です。
避けるべきNG行動
- 無理に剥がす
- 擦る
- 代謝を促進する行為をする
反対に、避けるべきNG行動としては、前述の無理に剥がす、ゴシゴシ擦るの他に、長時間の入浴やサウナ、プールなど、施術部位が長時間湿った状態になったり、ふやけたりする状況を避けることです。
また、激しい運動で大量の汗をかくことも、かさぶたが剥がれやすくなったり、汗によって不潔になったりする可能性があるため、治癒期間中は控えるのが望ましいです。
そして、施術部位に指示されていない化粧品や薬を塗布するのも避けましょう。
正しいアフターケアを丁寧に実践することが、綺麗に回復させるための最も確実な方法ですよ。
こんな場合は要注意!専門家に相談すべきサイン
多くの場合、まだらなかさぶたは心配いりませんが、中には専門家の診察が必要なケースも存在します。
もし、かさぶたがまだらになっているだけでなく、以下のような症状が同時に見られる場合は、迷わずに施術を受けたクリニック、または医療機関に相談してください。
- 施術部位やその周辺に、かさぶたができ始める前からあった痛みや腫れが、日に日にひどくなっている、あるいは新たに強い痛みや腫れが出てきた場合
- 施術部位周辺の赤みが広がり、触ると熱を持っているように感じる場合
- かさぶたの下や周囲から、黄色っぽい、または緑っぽい膿のような分泌物が出ている場合
- 施術部位やその周辺に、我慢できないほど強いかゆみを伴う発疹が出てきた場合
- 通常できるはずのかさぶたが全くできる気配がない、あるいは逆に異常に分厚く硬くなってしまい、全く剥がれ落ちる気配がない場合
これらの症状は、細菌感染やアレルギー反応など、適切な治療が必要な肌トラブルのサインである可能性があります。
自己判断で市販の消毒薬や薬を塗ったりせず、必ずプロの目で診てもらい、適切な処置を受けるようにしましょう。
早期に相談することで、トラブルの悪化を防ぎ、回復を早めることにつながります。
少しでもいつもと違うな、おかしいなと感じたら、遠慮せずに相談してくださいね。
かさぶたが取れた後、どうなる?色の変化について
やっとまだらなかさぶたが全て剥がれ落ちてホッとしたのも束の間、鏡を見て「あれ?思っていたより色が薄い…」「なんかボヤけた感じ?」と感じるかもしれません。
特に、かさぶたの色の濃さと比べて、皮膚に定着した色素の色がかなり薄く感じられることがあります。
これは、かさぶたの下から出てきたばかりの新しい皮膚が非常に薄く、その皮膚が色素を覆っているために起こります。
色素がまだ皮膚の深い層にあるように見えるため、色がぼやけて見えたり、本来の色よりも薄く感じられたりするのです。
これは一時的なもので、ここからさらに約数週間かけて、お肌のターンオーバーが進むにつれて、皮膚の下に定着した色素が徐々に皮膚の表面近くに上がってきます。
それに伴って、色素の色味も徐々に濃くなり、安定して見えるようになっていくのが一般的です。
最終的な色は、かさぶたが全て剥がれ落ちてから約1ヶ月〜1ヶ月半ほどかけて決まってくると言われています。
ですから、かさぶたが取れた直後の色だけで「失敗だ!」と落ち込まないでください。
初回のアートメイクでは、お肌への定着率に個人差があるため、一度で完璧な仕上がりになることの方が少ないです。
多くのクリニックでは、初回施術から1〜3ヶ月後を目安にリタッチの期間を設けています。
このリタッチで、初回で薄かった部分の色を足したり、形を微調整したりすることで、より理想の眉毛に近づけていくことができるのです。
かさぶたが取れた後の色の変化も、アートメイクの回復過程の一部として理解しておきましょう。
次回のために!まだらなかさぶたを防ぐポイント
今回、かさぶたがまだらになって少し心配な思いをされたかもしれませんが、もし今後またアートメイクを受ける機会があれば、今回の経験を踏まえてまだらになりにくいように、あるいはなっても慌てないようにするためにできることがあります。
まず、最も重要なポイントは、経験豊富で信頼できる施術者・クリニックを選ぶことです。
技術力の高い施術者であれば、お肌の状態を見極めながら、色素をより均一に入れることが期待できます。
事前のカウンセリングで、施術者の経験や症例写真などをしっかり確認し、納得のいく場所を選びましょう。
次に、施術前のカウンセリングで、ご自身の肌質やアレルギーの有無、過去の施術経験などを正直に正確に伝えることも大切です。
これにより、施術者があなたのお肌の状態に合わせた最適な方法を選びやすくなります。
そして、何よりもアフターケアです。
施術後のアフターケアの指示を徹底して守ることが、まだらなかさぶたのリスクを減らし、綺麗に治癒させるための鍵となります。
乾燥させない、触らない、刺激を与えない、といった基本的なルールを、面倒くさがらずに忠実に実践してみてください。
これだけでも、かさぶたの剥がれ方がより穏やかになり、まだらが目立ちにくくなることが期待できます。
紫外線や過度な汗をかくような活動など、施術者から注意されたことは治癒期間中はしっかりと避けましょう。
まとめ
アートメイク後のかさぶたがまだらになる現象は、多くの場合、お肌の自然な治癒過程で起こりうることであり、過度に心配する必要はありません。
皮膚の再生スピードや外部からの刺激など、様々な要因が絡み合って起こる、一時的な見た目の変化です。
大切なのは、見た目に惑わされず、焦らずに
- かさぶたを無理に剥がさない
- 施術部位を清潔に保つ
- 適切に保湿する
- 施術者から受けたアフターケアの指示を忠実に守る
ことです。これが、トラブルを防ぎ、最終的に美しい仕上がりを得るための最も効果的な方法です。
ただし、強い痛みや腫れ、膿が出るなどの異常が見られた場合は、自己判断せず速やかに施術を受けたクリニックや皮膚科などに相談することが重要です。
かさぶたが全て剥がれ落ちた直後は色が薄く感じられることがありますが、時間の経過とともに色素は安定していきます。
必要であればリタッチで調整も可能です。
あなたの新しいアートメイクが、綺麗に定着し、あなたの美しさをさらに引き立てることを心から願っています。