アートメイクとタトゥーの違いは?施術方法、持続期間などを詳しく解説

アートメイクとタトゥーはなんとなく違うことは知っているけど、実際どこが違うかまではわからない、という方や、どっちも似たようなものでしょ、と思っている方は多いはずです。アートメイクとタトゥーではしっかりと明確な違いがあります。

今回は、アートメイクとタトゥーの違いについて詳しく解説していきます。アートメイク・タトゥー双方の特徴を知った上で、自身はどちらが良いのかを判断していただければと思います。

ぜひ、最後までご覧ください。

アートメイクとタトゥーの違い

アートメイクとタトゥーは大きく分けて5つの違いがあります。それぞれ詳しく紹介していきます。

①施術方法

タトゥーもアートメイクも皮膚に色素を入れるということは同じですが、その施術方法は異なります。使用する器具・インク、色素を注入する深さが違うので、具体的に解説していきます。

まず、使用する器具ですが、どちらも基本的には手彫りまたはマシン彫りによって、皮膚へ色素を注入していきます。しかし、アートメイクとタトゥーの異なる点は、使用するニードルの太さです。アートメイクは0.01~0.03ミリの太さですが、タトゥーは0.25~0.4ミリの太さです。これは、色素を注入する深さが関係しており、アートメイクは皮膚の表皮という0.1~0.2ミリの浅い層へ色素を注入し、タトゥーは1.5~2ミリと皮膚の真皮という部分まで色素を注入します。深く色素を入れるためには、その分ニードルにも太さが必要になります。

次に、使用するインクですが、含まれている金属量に違いがあります。

タトゥーはきれいな発色や長く定着させたり、日焼けの影響で変色したりしないために多くの金属が含まれている場合があります。そのため、MRI検査を受診する際に注入したインクが磁力に反応する可能性や、注入する色味によっては除去施術を行っても、除去できない可能性があります。

一方、アートメイクで使用するインクは、含まれている金属量を始め、他の成分も含め、FDAやEMAというアメリカやヨーロッパの食品や医薬品の安全性を保つための機関にて認可を受けたものを使用しているクリニックがほとんどです。そのため、金属量は少量で、MRI検査時に注入したインクが磁力に反応して痛みが出るということはほとんどありません。

②持続性

アートメイクとタトゥーでは持続する期間に大きな違いがあります。これは、先程説明した、色素を注入する深さが違うためです。深さが違うことで、なぜ違いが起きるのか解説していきます。

まず、アートメイクですが、アートメイクは皮膚の0.1~0.2ミリの表皮という部分に色素を注入します。この表皮は、肌のターンオーバーの影響を受けます。そのため、アートメイクの持続期間は施術後およそ1~3年と言われています。施術後、肌のターンオーバーとともに徐々に退色し、薄くなっていきます。長期間アートメイクを維持するには、薄くなってきた頃に再度施術を行うメンテナンスが必要です。

一方、タトゥーは皮膚の1.5~2ミリの真皮という深い層へ色素を注入していきます。真皮は血管やリンパ管、神経が通っている部分で、ターンオーバーの影響を受けないため、色素は抜けることなく、皮膚内部に残り続けます。タトゥーは、メンテナンスで再度施術をする必要はほとんどの場合ありません。

③施術者

アートメイクは厚生労働省より、「医療行為」とされているため、医療機関でのみ施術が可能です。また、施術は医師や看護師などの資格を保有している医療従事者が行います。医師が常駐していない美容サロンやエステサロンでは、アートメイクは受けられません。

アートメイクの技術は、アートメイクスクールへ通ったり、各美容クリニック・アートメイク専門クリニックにて習ったりして、習得します。

タトゥーの施術者は、「彫師」と言われており、明確に何か資格が必要ということはないとされています。また、施術を行う場所も医療機関である必要はありません。

過去に医師免許を持たない彫師が施術をし、裁判になったケースがありました。一審では有罪となったものの、二審では、「タトゥーは医療行為ではない」として無罪という判決が下りました。

近年では、タトゥーの認知度が上がり、施術を希望する方も増えてきています。それに伴い彫師になるためのスクールがあったり、独自に資格を設定し、認定試験を行っている団体があったりします。

④痛み

アートメイク、タトゥー共に皮膚に色素を注入する際に傷をつけるため、施術には痛みが生じます。

先程タトゥーは、「医療行為ではない」ということから、施術は医療機関でなくても受けられるとお伝えしました。皮膚の1.5~2ミリの深さへ色素を注入するため、かなり痛みが生じますが、施術をする場所が医療機関ではない場合は、麻酔は基本的には使用できません。医療従事者の資格がなくても、ネット通販などで麻酔クリームを購入し、使用している彫師もいます。

アートメイクは、皮膚の0.1~0.2ミリの浅い層へ色素を注入するため、皮膚の薄い部位であるリップやアイラインは痛みを感じやすく、眉は痛みを感じにくいです。

アートメイクは、医療機関にて施術が行われるので、麻酔クリームを使用し、表面麻酔をしてから施術をすることが可能です。痛みに敏感な方や心配な方は、施術前にクリニックへ伝え、痛みを軽減しながら施術を行ってもらうようにしましょう。

⑤リスク(肌トラブル・アレルギー・血液感染症)

アートメイク、タトゥーどちらも皮膚より色素を注入するため、少なからずリスクは伴います。

肌トラブルやアレルギー反応が出てしまう可能性があります。体質や肌質、施術部位によっては、症状が出やすい方もいるので、事前にわかっている場合は、施術前に施術者へ必ず伝えましょう。

また、施術に使用する器具が清潔に保たれていない場合は、血液感染症(B・C型肝炎や梅毒など)になるリスクもあります。医療機関で施術をするアートメイクは、安全性は保たれており、もし何か症状が出た際の対策や対応は素早く行われます。

しかし、タトゥーの施術は医療機関ではないため、安全が必ずしも確保されているとは限りません。症状が発症した際の対策や対応も十分とは言い切れないでしょう。

まとめ

ここまでアートメイクとタトゥーの違いについて解説してきました。皮膚から色素を注入するということは同じですが、使用する器具や色素を入れる深さなど異なる点はいくつかあります。

また、近年では緩和されているところもありますが、タトゥーが入っているとプールや銭湯に入れないこともあります。

これらを考慮した上で、アートメイクやタトゥーの施術をするかどうかを検討するようにしましょう。そして、施術をする際は、安全に施術を受けられる場所を選ぶよう意識してみてください。