食事のたびにズキッと痛む唇の口内炎。
小さくても気になるし、本当に憂鬱ですよね。
特にデリケートな唇にできると、話したり笑ったりするのも辛く感じることがあります。
一体なぜできてしまうのでしょうか？
そして、このつらい痛みを一日でも早く和らげ、繰り返さないためにはどうすれば良いのでしょうか？
この記事では、唇にできる口内炎の原因から、今日からできる効果的なケア方法、そして予防のヒントまでを分かりやすく解説します。
なぜできる？唇の口内炎の主な原因
唇に口内炎ができてしまう原因はいくつか考えられます。
免疫力の低下
まず、多くの人が経験するのが「アフタ性口内炎」と呼ばれるタイプです。
これは、円形や楕円形の白い潰瘍で、周りが赤くなっているのが特徴です。
主な原因としては、ストレスや睡眠不足による免疫力の低下が挙げられます。
忙しい毎日や季節の変わり目など、体が疲れているときにできやすいと感じる方も多いのではないでしょうか。
また、食生活の偏り、特にビタミンB群の不足も粘膜の健康を保てなくなり、口内炎を引き起こす大きな要因となります。
物理的な刺激
うっかり唇の内側を噛んでしまったり、熱い食べ物や飲み物でやけどをしてしまったりすることが原因で口内炎ができることがあります。
矯正器具が当たったり、合わない入れ歯が擦れたりすることも刺激になります。
ウイルスや細菌の感染
さらに、ウイルスや細菌の感染も口内炎の原因となります。
特にヘルペス性口内炎は、単純ヘルペスウイルスの感染によって起こり、唇やその周りに小さな水ぶくれがたくさんできるのが特徴です。
これは感染力が強い場合があるので注意が必要です。
その他にも、アレルギー反応や特定の病気が原因となっている可能性もゼロではありません。
もし、原因がよく分からない口内炎が頻繁にできたり、長引いたりする場合は、医療機関に相談してみるのが安心です。
こんな症状に注意！唇の口内炎の種類と特徴
唇にできる口内炎といっても、実はいくつか種類があり、それぞれ症状が異なります。
アフタ性口内炎
最も一般的なアフタ性口内炎は、先ほどもお話ししたように、境界線がはっきりした白っぽい潰瘍で、周りが赤く炎症を起こしています。
多くの場合、強い痛みを伴いますが、通常1〜2週間ほどで自然に治ることがほとんどです。
ヘルペス性口内炎
一方で、ヘルペス性口内炎は、最初は唇や口の周りにピリピリ、チクチクとしたかゆみや違和感から始まり、その後小さな水ぶくれが集まってできます。
水ぶくれが破れるとただれて痛みが強くなります。アフタ性口内炎とは異なり、ウイルスが原因なので、発熱やだるさといった全身症状を伴うこともあります。
過去にヘルペスウイルスに感染したことがある場合に、体調が優れないときなどに再発することがあります。
カタル性口内炎
物理的な刺激によってできるカタル性口内炎は、粘膜が赤く腫れたり、ただれたりすることが特徴です。
アフタ性口内炎のようなはっきりした白い潰瘍にならないこともあります。
食べ物がしみたり、触れると痛むことがあります。
これらの症状を見て、「これはどっちかな？」とご自身の口内炎の種類を推測してみるのも良いですが、自己判断が難しい場合や症状が重い場合は、専門家に見てもらうことが大切です。
特にヘルペス性口内炎の場合は、適切な治療が必要になります。
早く治したい！唇の口内炎への効果的な対処法
つらい唇の口内炎は、できるだけ早く治したいですよね。
口腔内を清潔に保つ
効果的な対処法としては、まず口腔内を清潔に保つことが基本です。
毎日の歯磨きを丁寧に行い、食後には刺激の少ない洗口液を使ったり、水で口をゆすいだりして、口の中の食べかすや汚れを取り除きましょう。
ただし、強くうがいをしすぎると患部を刺激してしまう可能性があるので、優しく行うのがポイントです。
市販薬の活用
市販薬もうまく活用してみてください。
口内炎用の塗り薬には、炎症を抑えるステロイド成分が配合されているものや、非ステロイドタイプで痛みを和らげるものなど様々な種類があります。
患部を保護して刺激から守ってくれる貼り薬も効果的です。
スプレータイプは、患部に直接触れずに使えるので、塗るのが難しい場所や触れると痛む場合に便利です。
薬局で薬剤師さんに相談して、ご自身の口内炎のタイプや症状に合ったものを選んでみましょう。
ただし、ステロイド配合の薬は、ウイルスの増殖を抑える免疫の働きを弱めてしまう可能性もあるため、ヘルペス性口内炎が疑われる場合は使用を避けてください。
ご自身の判断が難しい場合は、必ず専門家にご相談くださいね。
免疫力の向上
セルフケアとしては、十分な休息と睡眠をとり、体の免疫力を高めることも非常に重要です。
また、ストレスを溜め込まないように、リラックスできる時間を作ることも意識してみてください。
ビタミンB群は粘膜の健康維持に欠かせない栄養素なので、食事やサプリメントで意識的に摂取するのも良いでしょう。
そして、痛いからといって患部を舌や指で触ってしまうと、刺激になって悪化させたり、治りを遅らせたりすることがあるので、なるべく触らないように気をつけましょう。
食事にも気を配ろう：早く治すための食事と避けるべきもの
口内炎を早く治すためには、毎日の食事も大切です。
積極的に摂りたいのは、粘膜の健康を保つのを助けるビタミンB群（特にビタミンB2とB6）です。
これらは、豚肉やレバー、魚類、大豆製品、乳製品、緑黄色野菜などに多く含まれています。
また、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンA、免疫力を高めるビタミンC、そして細胞の修復に関わる亜鉛なども口内炎の回復をサポートしてくれます。
卵や納豆、ほうれん草、ナッツ類などを意識して食事に取り入れてみてください。
口内炎ができているときは、患部を刺激しないように、できるだけ柔らかく、熱すぎないものを食べるのがおすすめです。
おかゆやうどん、スープ、ヨーグルト、プリンなどは比較的食べやすいでしょう。
また、食事の前に少し水分をとっておくと、口の中が潤って食べ物の刺激を和らげることもあります。
逆に、口内炎があるときに避けたいのは、辛いもの、熱いもの、酸っぱいもの、塩分の濃いもの、硬いものです。
スパイスの効いた料理や柑橘類、せんべいやポテトチップスなどは患部に刺激を与えてしまい、痛みを強くしたり治りを遅くしたりする可能性があります。
アルコールも粘膜を刺激するので、治るまでは控えるのが賢明です。
甘いものも、体内で分解する際にビタミンB群を消費してしまうことがあるので、控えめにするのが良いでしょう。
無理せず、体が喜ぶような優しい食事を心がけてみてください。
繰り返さないために：唇の口内炎の予防策
一度できるとつらい口内炎。
できることなら、もう繰り返したくないですよね。
予防のためには、日頃からの生活習慣の見直しがとても大切です。
まず、十分な睡眠時間を確保し、心身の疲れを溜め込まないようにしましょう。
ストレスも口内炎の大敵ですので、趣味やリラックスできる時間を見つけて、上手に解消してみてください。
バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンB群が不足しないように意識することも重要です。
口腔ケアも予防には欠かせません。
毎食後の歯磨きで口の中を清潔に保ち、定期的に歯科検診を受けて虫歯や歯周病を予防することも、口内環境を整える上で大切です。
お口の中が乾燥していると、細菌が繁殖しやすくなり口内炎の原因となることがあるため、こまめに水分を摂るようにしましょう。
また、唇を無意識に噛む癖がある方や、矯正器具や入れ歯が合わない場合は、刺激とならないように歯科医師に相談してみてください。
これらの予防策を毎日の習慣にすることで、口内炎ができにくい体質を目指すことができます。
もしかして別の病気？医療機関を受診すべきケース
多くの口内炎は自然に治ることが多いですが、中には医療機関の受診が必要なケースもあります。
「たかが口内炎」と軽く考えず、以下のような場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 2週間以上経っても治らない、または悪化している
- 痛みが非常に強く、食事や会話が困難
- 口内炎が広範囲にいくつもできている
- 発熱やリンパ節の腫れなど、全身の症状を伴う
- 頻繁に口内炎ができる（月に何度もなど）
- 市販薬を使っても全く効果がない
- 見た目が通常のアフタ性口内炎と異なる（いびつな形、深い潰瘍など）
これらの症状が見られる場合、単純な口内炎ではなく、ベーチェット病や口腔がん、免疫系の病気など、別の病気が隠れている可能性も考えられます。
早期発見、早期治療が大切な場合もありますので、迷わず専門家にご相談ください。
受診する科としては、まずはかかりつけの歯医者さんや、口腔外科、耳鼻咽喉科などが適しています。
皮膚科でも診てもらえる場合があります。
不安な気持ちを抱え込まずに、まずは相談してみてくださいね。
なお、ごく稀にですが、口内炎だと思っていたものが、初期の皮膚がんなどの肌トラブルである可能性も否定できません。
特に、同じ場所に繰り返しできる、硬さがある、周りの皮膚との境界線がはっきりしないといった場合は注意が必要です。
これらの情報はあくまで一般的なものであり、自己判断は危険です。
必ず医師の診断を仰ぐようにしてください。
まとめ
唇の口内炎は、小さくても日常生活に大きな影響を与えるつらい症状です。
その原因はストレスや睡眠不足、栄養不足といった身近なものから、物理的な刺激、さらにはウイルス感染や他の病気が隠れている場合もあります。
ご自身の口内炎のタイプや原因を知ることは、適切な対処への第一歩となります。
つらい痛みから解放されるためには、口腔内を清潔に保つこと、症状に合った市販薬を上手に使うこと、そして体をしっかり休ませることが大切です。
さらに、栄養バランスの取れた食事を心がけ、刺激物を避けることも治癒を早める手助けになります。
そして何よりも、規則正しい生活やストレス管理、丁寧な口腔ケアを日々の習慣にすることで、口内炎の再発を防ぐことが期待できます。
もし、症状が長引く場合や、痛みが強い場合、全身症状がある場合などは、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。
専門家のアドバイスを受けることで、より早く、そして的確な治療に繋がります。
この記事が、唇の口内炎に悩むあなたの不安を少しでも和らげ、痛みのない快適な毎日を取り戻すための一助となれば幸いです。
つらい時は無理せず、ご自身の体と向き合って、優しくケアしてあげてくださいね。