【医師監修】サリチル酸の効果や使い方・注意点を詳しく解説します

  • 2024年11月12日
  • 美容
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今注目のサリチル酸とはどのような成分なのでしょうか?このページではサリチル酸の効果や使い方、注意点がわかります。

目次

サリチル酸とは

サリチル酸は、肌の角質層を溶解する性質を持つベータヒドロキシ酸(BHA)の一種です。自然界にも存在する成分で、19世紀に鎮痛・解熱作用を持つ成分として注目され始めました。日本では厚生労働省によって化粧品への配合量が定められており、その範囲内では肌への刺激性やアレルギー性、光毒性といったリスクはほとんどなく、安全性の非常に高い成分です。

サリチル酸の効果・効能

ニキビ予防・改善効果

サリチル酸は、毛穴の詰まりを解消し、皮膚表面の新陳代謝を促進することで、ニキビの予防と治療に効果を発揮します。

  • 古い角質や過剰な皮脂を溶かして取り除くことで、ニキビの原因となる細菌の増殖を防ぎます。
  • 抗炎症作用により、ニキビの赤みや腫れを軽減します。
  • 特に、炎症が起きている赤ニキビ、毛穴が詰まっている状態の白ニキビ、ケアをしても繰り返してしまうニキビ、ニキビ痕などに効果が期待できます。

美肌効果

肌のターンオーバーを促進することで、以下のような効果も期待できます。

  • ワントーン明るい肌になる
  • 肌の弾力やハリが回復する
  • シミ、くすみを薄くする
  • 毛穴の黒ずみ、開きを改善する
  • 小じわを改善する

サリチル酸とグリコール酸の違い

サリチル酸とグリコール酸は、どちらも肌のターンオーバーを促進し、様々な肌トラブルの改善に効果が期待でき、ケミカルピーリングに使用される酸ですが、いくつかの違いがあります。それぞれの特性を理解し、適切なピーリング方法を選ぶことで、より効果的に肌質改善を目指しましょう。

酸の種類

サリチル酸はβヒドロキシ酸(BHA)の一種であり、グリコール酸はαヒドロキシ酸(AHA)の一種です。

脂溶性

サリチル酸は脂溶性であるため、皮脂に溶けやすく、毛穴の奥深くまで浸透することができます。一方、グリコール酸は水溶性です。

効果

サリチル酸は、ニキビやニキビ跡、毛穴の詰まり、黒ずみなどに効果が期待できます。グリコール酸は、ニキビ、ニキビ跡に加え、シミ、毛穴の黒ずみ、肌の色ムラの改善、保湿効果なども期待できます。

刺激

サリチル酸はグリコール酸に比べて刺激が少なく、敏感肌の方にも使用しやすいと言われています。

サリチル酸ピーリングとグリコール酸ピーリングの使い分け

どちらのピーリングが適しているかは、肌質や症状によって異なります。医師に相談して、自分に合ったピーリング方法を選びましょう。

  • ニキビや毛穴の詰まりが気になる場合: サリチル酸ピーリングがおすすめです。
  • シミやくすみ、肌のトーンアップ: グリコール酸ピーリングがおすすめです。
  • 敏感肌: サリチル酸ピーリングの方が刺激が少ないため、おすすめです。

サリチル酸の使用方法

サリチル酸は、様々な形で使用されています。主な使用方法としては、化粧品への配合医薬品への配合医療機関におけるケミカルピーリングの3つが挙げられます。

化粧品への配合

サリチル酸は、ニキビケア、美白、角質ケアなどを目的とした様々な化粧品に配合されています。 主な製品としては、洗顔料、化粧水、クリーム、スポットトリートメントなどが挙げられます。 サリチル酸配合の化粧品は、ドラッグストアや化粧品専門店などで手軽に購入することができます。

選び方

初心者の方は、低濃度(1%以下)のサリチル酸を含む製品から始め、肌の反応を見ながら徐々に濃度を上げていくようにしましょう。また、敏感肌の方は、サリチル酸の濃度だけでなく、製品に含まれる他の成分にも注意が必要です。肌を落ち着かせる成分(アロエベラ、カモミールエキスなど)を含む製品や、無香料・無着色・非コメドジェニック(毛穴を塞がない)といった特性を持つ製品がおすすめです。

コストパフォーマンスを重視する場合は、製品の価格だけでなく、内容量や使用期間も考慮しましょう。

サリチル酸製品を使用する際の注意点

サリチル酸は、適切に使用すればニキビケアや美肌効果に役立つ成分ですが、注意点を守って使用することが大切です。安全にサリチル酸製品を使用するために、これらの注意点を守り、疑問点があれば医師や薬剤師に相談しましょう。

使用量と頻度を守る

サリチル酸製品は、製品の指示に従って使用することが大切です。一般的には、少量から始め、肌の反応を見ながら徐々に使用量や頻度を増やしていくことが推奨されます。過剰に使用すると、肌に刺激を与える可能性があります。

他のスキンケア製品との併用に注意する

サリチル酸製品を他のスキンケア製品と併用する場合は、肌への負担を考慮する必要があります。特に、AHAやレチノールなど、他の酸を含む製品との併用は、肌の敏感さを高める可能性があるので注意が必要です。サリチル酸製品と他のアクティブ成分を含む製品の使用は、可能であれば交互の日に行い、常に保湿を心がけることが大切です。

サリチル酸と併用できない成分
  • 他の酸を含む製品ソースでは、サリチル酸製品とAHAやレチノールなど他の酸を含む製品の併用は、肌への負担が大きいため注意が必要とされています。これは、複数の酸を併用することで、肌のpHが過度に酸性に傾き、刺激や炎症を引き起こす可能性があるためと考えられます。
  • 刺激性の強い成分サリチル酸ピーリング後は、肌のバリア機能が低下し、外部刺激に敏感になっています。そのため、アルコールや香料など刺激性の強い成分を含む製品は避け、低刺激な製品を選ぶべきです。
  • アスピリン系成分サリチル酸はアスピリンに近い物質であるため、アスピリン喘息やアスピリンアレルギーを持つ方は、サリチル酸を含む製品の使用を避ける必要があります。
上記以外にも、肌の状態や体質によって、サリチル酸と併用するとトラブルが起こる成分は存在する可能性があります。サリチル酸と他の成分を併用する場合は、必ず事前に医師や薬剤師に相談し、パッチテストを行うなどして、ご自身の肌に合うかどうかを確認することが重要です。
副作用に注意する

サリチル酸製品を使用すると、皮膚が赤くなったり、ピリピリとした刺激を感じることがあります。これらの症状は、一般的には使用を続けることで肌が徐々に慣れていきます。しかし、これらの副作用が重度である場合や、腫れ、痛み、過度の乾燥や剥離が見られる場合は、使用を中止し、医師の診断を受けるようにしましょう。

敏感肌や乾燥肌の人は特に注意する

敏感肌や乾燥肌の人は、サリチル酸製品を使用する際に特に注意が必要です。低濃度の製品から始め、肌の反応を慎重に観察しながら、徐々に使用頻度を増やしていくことが推奨されます。また、保湿はサリチル酸製品の使用において非常に重要であり、保湿剤の使用を忘れずに行うことで、乾燥や刺激を最小限に抑えることができます。

紫外線対策を徹底する

サリチル酸を使用すると、肌が紫外線に対してより敏感になります。日焼け止めを毎日使用し、日傘や帽子などを活用して、紫外線から肌を守るようにしましょう。

使用できない場合

妊娠中・授乳中の方、アスピリン喘息やアレルギーがある方、イボやヘルペスができている方、日焼けをしている方は、サリチル酸ピーリングを受けられません。心配な場合は、医師に相談するようにしましょう。

医薬品への配合

サリチル酸は、角質軟化作用があるため、タコやウオノメを除去する医薬品にも使用されています。 また、殺菌作用があることから、ニキビの発生と悪化を防ぐためにサリチル酸を配合した軟膏が処方されることもあります。

代表的な医薬品

サリチル酸ワセリン

医療機関におけるケミカルピーリング

医療機関では、サリチル酸を用いたケミカルピーリング治療が行われています。 ケミカルピーリングとは、薬剤を使用して皮膚の角質層を剥離させ、肌のターンオーバーを促進する治療法です。サリチル酸ピーリングは、ニキビ、ニキビ跡、シミ、毛穴の詰まりなどの改善に効果が期待できます。

サリチル酸ピーリングの種類

多くの医療機関では、サリチル酸マクロゴールピーリングが行われています。 これは、サリチル酸をマクロゴールという基剤に溶解したピーリング剤を使用する方法です。マクロゴールは、サリチル酸が皮膚の奥深くまで浸透するのを防ぐため、肌への負担が少なく、安全性が高いとされています。

サリチル酸ピーリングを受ける際の注意点

  • 施術後は、12時間程度はメイクを控え、紫外線対策を徹底する必要があります。
  • 施術後は、肌が乾燥しやすくなるため、保湿ケアをしっかり行うことが大切です。
  • 妊娠中・授乳中の方、アスピリン喘息やアレルギーがある方、イボやヘルペスができている方、日焼けをしている方は、サリチル酸ピーリングを受けられません。
  • 施術を受ける際は、医療機関を選びましょう。 日本では、高濃度のケミカルピーリングは医療機関でしか行えず、エステサロンで行うピーリングは効果がマイルドで、トラブル発生時の対応も十分ではないため、医療機関での施術の方が安全です。
  • サリチル酸は、効果の高い成分ですが、副作用が出る可能性もあります。使用前に必ず使用方法や注意事項をよく確認し、ご自身の肌質や体調に合った方法で使用するようにしましょう。

サリチル酸はどんな人におすすめ?

ここからはサリチル酸はどんな人におすすめなのか解説します。サリチル酸の使用を控えた方が良い人についても触れています。

サリチル酸がおすすめな人

サリチル酸は、様々な肌トラブルに効果が期待できる成分ですが、特に以下のような方におすすめです。

ニキビや毛穴の詰まりが気になる方

サリチル酸は脂溶性なので、毛穴の奥の皮脂や汚れにまで浸透し、ニキビの原因となる毛穴の詰まりを解消します。ニキビの予防と治療、赤みや腫れの軽減にも効果があります。思春期ニキビにも効果が期待できます。

ニキビ跡の色素沈着が気になる方

サリチル酸は肌のターンオーバーを促進することで、色素沈着を薄くする効果も期待できます。

油性肌の方

サリチル酸は皮脂の分泌を抑制する効果も期待できるため、油性肌の改善にも役立ちます。

毛穴の開き、黒ずみが気になる方

サリチル酸は毛穴の詰まりを解消し、肌のターンオーバーを促進することで、毛穴の開きや黒ずみを改善する効果も期待できます。

シミやくすみが気になる方

サリチル酸ピーリングは、肌のターンオーバーを促進することで、シミやくすみを改善する効果も期待できます。

小じわやたるみが気になる方

サリチル酸ピーリングは、肌のターンオーバーを促進し、コラーゲンの生成を促すことで、小じわやたるみを改善する効果も期待できます。

肌のトーンアップを目指したい方

サリチル酸ピーリングは、古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進することで、ワントーン明るい肌へと導きます。

サリチル酸の使用を控えた方が良い人

サリチル酸は多くの肌トラブルに効果的な成分ですが、下記に当てはまる方は使用を控えるか、医師に相談の上で使用することを推奨します。

アスピリン喘息やアレルギーのある方

サリチル酸はアスピリンと類似した成分であるため、これらの症状がある方は使用を控えるべきです。サリチル酸を使用するとアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

妊娠中・授乳中の方

妊娠中・授乳中の方へのサリチル酸の使用については、安全性が確立されていません。胎児への影響や母乳への移行の可能性を考慮し、医師に相談するまで使用は控えるようにしましょう。

イボやヘルペスができている方、日焼けをしている方

サリチル酸は、肌に刺激を与える可能性があります。イボやヘルペス、日焼けがある場合は、症状を悪化させる可能性があるため、使用は控えましょう。

肌が敏感な方、乾燥肌の方

サリチル酸は、肌に刺激を感じやすい場合があります。敏感肌や乾燥肌の方は、低濃度の製品から試す、使用頻度を調整する、保湿を十分に行うなど、注意が必要です。刺激が強い場合は使用を中止し、医師に相談しましょう。

まとめ

サリチル酸は、適切に使用すればニキビケアや美肌効果に役立つ成分ですが、注意点を守って使用することが大切です。安全にサリチル酸製品を使用するために、これらの注意点を守り、疑問点があれば医師や薬剤師に相談しましょう

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